Common / No I.D. – The Bitch In Yoo / The Real Weight

『The Bitch In Yoo』は、CommonがIce Cubeと彼のグループWestside Connectionに向けて放ったディストラックとして知られています。この楽曲は、Pete Rockがプロデュースを担当し、ハードなビートと鋭いリリックが特徴的です。また、B面にはNo I.D.のソロトラック『The Real Weight』が収録されています。

【サンプリングネタ】

▫️The Bitch In Yoo

この楽曲では、Brian Auger’s Oblivion Expressの「Light My Fire」をサンプリングしています。このサンプルは、トラック全体にジャジーでソウルフルな雰囲気を与え、Commonのリリックを引き立てています。

ぜひ、このシングルを手に取り、Commonの鋭いリリックとPete Rockのプロダクションを堪能してみてください。

【その他】

『The Bitch In Yoo』は、CommonがIce CubeとWestside Connectionに向けて放った伝説的なディストラックであり、90年代ヒップホップのクラシックバトルのひとつとして知られている。このビーフの発端は、1994年にリリースされたCommonの名曲**「I Used to Love H.E.R.」**。この楽曲は、ヒップホップの変遷を「ひとりの女性」に例えたリリカルな名作だが、その中でCommonは、ギャングスタラップの流行によってヒップホップが変わってしまったことを批判している。

これに対して、Ice CubeとWestside Connectionは**「Chicago niggas ain’t shit to L.A.」**（シカゴの奴らはLAには通用しねえ）と煽り、『Westside Slaughterhouse』という楽曲でCommonを名指しでディス。これに激怒したCommonが放った反撃が『The Bitch In Yoo』だった。

この曲では、CommonはIce Cubeを「時代遅れのラッパー」として痛烈に批判し、彼がすでに**「伝説からただの有名人に成り下がった」**と指摘。さらに、かつてのアイコン的な存在だったCubeが、メインストリームに迎合していることを嘲笑している。

「I heard a ho say you her favorite rapper / (So what?) So I had to slap her」
（お前が彼女の一番好きなラッパーだって？なら、俺は彼女を張り倒さなきゃな）

このラインは、Ice CubeがかつてN.W.A.の中で最もストリートな存在だったのに、今では映画スターになり、“ハードコアなラッパー”としてのリアルさを失ったことを皮肉っている。

また、この曲のプロデュースを手がけたのはPete Rock。彼のジャジーなビートの上で、Commonの鋭いリリックが冴え渡る。実は、このディスバトルの背景には、East Coast vs. West Coastの構図も関係しており、Commonが東海岸寄りのリリシズムを重視するアーティストだったことも影響している。

しかし、このビーフは後に和解。2005年にはCommonとIce Cubeが「Real People」で共演し、長年の確執に終止符を打っている。

ヒップホップのディスバトルの歴史において、『The Bitch In Yoo』は「リリカルなディストラックの教科書」とも言えるほど洗練された内容であり、Commonのスキルとインテリジェンスを証明する楽曲となった。

US-Promo
Media Condition　Very Good Plus (VG+)
Sleeve Condition　Very Good Plus (VG+)

Label:　Not On Label (Common) – COM1, Not On Label (No I.D.) – COM1
Format:　Vinyl, 12", 33 ⅓ RPM, Promo, Unofficial Release
Country:　US
Released:　1996
Genre:　Hip Hop

Tracklist
A1 Common– The Bitch In Yoo (W/O Intro) 3:46
A2 Common– The Bitch In Yoo (W/ Intro Flip) 4:00
A3 Common– The Bitch In Yoo (Street Version) 4:00
B1 No I.D.– The Real Weight
Rap [Featuring] – Dug Infinite　3:55
B2 No I.D.– The Real Weight (Instrumental Version)
Rap [Featuring] – Dug Infinite　3:55
B3 Common– The Bitch In Yoo (Instrumental Version) 3:46

Credits
Producer – No I.D. (tracks: B1, B2), Pete Rock (tracks: A1 to A3, B3)